面白いケースだと「酸味が苦手」と言う方に限って、良質な酸味を持ったコーヒーを美味しいという傾向が強かったです。いつもしている酸味の説明に加えて、酸味の質と強さを分けて説明する必要を感じました。そうです、つまりはSCAAカッピングのように酸味は質の良し悪しと強弱を理解していただくことで、飲み手のストライクゾーンを広げられるのではないかと。こんな話ができるのも来てくださるお客さんのレベルが高いからだと確信しています。ありがたいことです。
さて、今年最後の【今月の珈琲・10%OFF】はエチオピア・イルガチェフ G1 セレクテッドです。近年、イルガチェフを扱っていない自家焙煎コーヒー屋はないというほどメジャーなコーヒーになりました。グレードも今ではG1なんてのは当たり前、それでいて農園・農協指定モノが広まっています。余談ではありますが従来では考えられなかったナチュラルのG1を目にすることが少なくありません。
そんな雨後の筍のような状態のイルガチェフをあれこれ飲み続けていました。今年の夏頃に「凄いイルガチェフがあるから」と薦められたのが今回のイルガチェフになります。何が凄いって、焙煎中に釜からイルガチェフ香がするのです。こんな経験は初めてのことでした。だもんですから、焙煎中→粉砕中→抽出中とレモングラスのような素晴らしい香りを楽しむことができます。
カップはあまりコーヒーらしくない、と言うと「?」でしょうが、大変飲みやすくて良質な酸味ってこういうモンだと声を大にして言ってみます。分かる人にはわかる例えでしょうが、中途半端なゲイシャを飲むぐらいなら、このイルガチェフをオススメします。
そして毎月変わる今月の珈琲とオススメブレンドをセットにした【今月の珈琲セット】。今月はやたらリクエストが多いのでたぐちプレミアムブレンドにします。たまには人の言うことを聞かないとマズいなぁ、なんて思ったモンで。